モラハラやDVは何度も繰り返されることで、被害者の心の奥底に大きな傷を残します。
身体の傷は数週間、数ヶ月で治せても、心に深く染みついた傷は、回復に何年、何十年とかかるのです。
私自身、16歳の頃の恐怖が30年経っても心の奥に残っており、本当に驚きました。
普段の生活では支障がないように思えても、恐怖の体験が蘇るような条件が揃った時、身体の硬直や震えが起きて涙が溢れてきたのです。
これを心的外傷後ストレス障害(PTSD)とも呼びますが、このようにモラハラやDVの被害はしつこく心に刻まれます。
どうか、その被害に悩む人たちが心の平安を取り戻せますように、願いを込めて書いていきます。
被害者の心の変化
モラハラやDVの被害者は、加害者からの洗脳状態にあるため、自分の本当の気持ちに気付きにくくなっています。
そして、離れた方が良い状況でも、なかなか離れることができません。
モラハラやDVの環境から離れ、客観的に自分を見れるようになると少しずつ、その環境のおかしさや自分の本心に気付くでしょう。
被害者の心が回復する際には、6つのステップを踏んでいくと言われています。
順番には個人差があるようですが、参考にご紹介します。
1-1.自責期・混乱期
加害者と離れる際は「お前のせいでこうなったんだ!」と責められることがあります。
離れた直後の頃には、自分の我慢が足りなかったのではないか、彼や子供など周囲の人を傷つけてしまった。他の選択もあったのではないか?と自責の念や罪悪感に苛まれるでしょう。
「自分が変われば元の関係に戻れる」と思うこともありますが、ここで引き返しても同じことの繰り返しです。
彼の気持ちは考えず、客観的にものごとを捉えるよう意識し「私のせいではない」と強く思うことが重要です。
モラハラやDVは絶対にしてはいけない事!どんな理由があってもやってはいけない行為です。 |
1-2.ロス期(喪失感)
加害者と離れてから少し時間が経過すると、被害者は以前の環境が恋しくなって来るでしょう。
急に環境が変わるため、今の暮らしに馴染めずに、心に穴が開いたような虚しさを感じます。
そして、彼との良い思い出だけを思い出し「やっぱり彼には私が必要」と連絡をとってしまう傾向があります。
また、この喪失感が原因で、彼と別れても、また同じような人を求めてしまうこともあるので注意が必要です。
その喪失感は、習慣化していたものが突然亡くなった虚しさからくるもの。 |
1-3.他責期
時間が経ち客観的に受け止められるようになると、自分が受けた被害をようやく認め、加害者を責めたり憎いと思う時期がやってきます。
この時期は、加害者から受けた行為によって人間不信になっていることもあり、周囲との人間関係が上手くいかなくなることがあります。
自分が受けた行為を他の人にしてしまったり、イライラをぶつけてしまうことがあるでしょう。
これは、モラハラやDVから離れて周囲を見る余裕ができた時、周囲の人は過去の自分と同じことをしていても誰にも責められずにいることに腹が立ってくるのです。
なぜ自分だけが責められて、酷い思いをしなければならなかったのか…
親子間でモラハラやDVが繰り返される時も、このような心理が働いています。
周囲の人との関係が上手くいかない時、今の自分の言動はどうなのか、落ち着いて振り返ってみて下さい。 そして、イライラの感情を人にぶつけるのでは無く「辛かったよね」「よく頑張ったね」と、イライラの原因となっている過去の自分に温かい言葉をかけてあげて下さいね。 |
1-4.反復期(怒り)
他責期の後は、自分が受けたモラハラやDV行為を何度も思い出す時期がやってきます。
どうして自分が酷い扱いを受けなければならなかったのか、一体自分の何が悪かったのかと、自問自答を繰り返します。
反復期は、被害期間が長ければ長いほど、心の傷が深ければ深いほど長く続くでしょう。(個人差があります)
ですが、被害を繰り返し思い出すことは、実はトラウマを克服するためにも必要なことです。
思い出すことで受けたストレスに慣れ、また「もう大丈夫だよ」と自分の気持ちを落ち着かせることを練習しています。
この時期に、自分の被害体験を人に話したり、日記に書いたり、心の外に出すことは非常に効果があるそうです。
また、同じような被害を体験した人の話を聞いたり読むことも良いようです。
時間が経って状況が落ち着いてから、被害当時のストレスが一気に噴き出してくることもあります。体調に現れるような時はしっかりと休みをとりましょう。
無理に思い出す必要はありませんが、被害当時を思い出した時は、しっかり自分の気持ちに寄り添ってあげて下さいね。 何度も思い出してしまっても大丈夫。間違いなく、一歩ずつ克服しようとしているのです。 |
1-5.絶望期
加害者と離れストレスが過ぎ去った後、被害者には悲観的な思考が働きやすく、人生に絶望したり、うつ状態になる傾向があります。
「何もやる気になれない」「起き上がれない」など、心身に症状が出てきたら、病院や診療所を受診することをおすすめします。
別れた後、別居後、離婚後などにうつ状態に苦しむ被害者が多くいます。
モラハラやDVの被害は、それほど心の負担が大きいのです。
不安や抑鬱、そして不眠を伴う場合など、自分一人で我慢せずに薬やカウンセラーなどの力を借りて少しでも楽になりましょう。
私は16歳でデートDVを受けて以来リストカットを繰り返し、その後他の相手からも22歳でデートDVを受け、彼と完全に離れてから1年後にうつ症状を発症しました。心の問題を放置しておくと、後からより大きな症状となってあらわれることがあります。不調を感じたら早めに受診することをおすすめします。 |
1-6.回復期
上記1~5の時期の後に、回復期が訪れます。1~5を繰り返す場合もあります。
以下のような心理状態になった時、回復してきていると言えるでしょう。
- 加害者との決別を自分で決められた
- 悪いのは自分ではないと実感できる
- 自分も加害者も未熟だったのだと思える
- あのまま加害者と一緒にいたら、絶望的な未来になると想像できる
- 自分の将来のことを考えられるようになる
回復までには長い時間が掛かります。
その間、医療機関、相談機関、友人や身近な人に話を聞いてもらうなど、周囲にも協力して貰って辛い期間を乗り越えましょう。
私も診療内科クリニックに通いながら友人にも話を聞いてもらい、うつを乗り越えることが出来ました。 あなたの笑顔が一番の恩返し。 周囲に頼ることを気兼ねするより、しっかりと回復させ、元気な姿を周りの人に見せてあげて下さいね。 回復後のあなたはきっと、人の痛みを理解し、人の気持ちに寄り添い、周囲に元気を与える存在になりますよ。 |
まとめ
この記事を書くにあたって、下記サイトを参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
ブログと管理人 | モラハラ離婚ナビ (morahara-rikon.net)
あまりにも過去の自分の心理状況と同じだったので、書きながら昔を思い出し、これもあれもと被害状況を改めて実感させられました。
一つ言えるのは「問題は先延ばしにしない方が良い」ということ
彼がおかしいと思ったら、それがどういう事が調べてみる。自分がおかしいと思った時も同じです。
身体でも心でも、おかしいと思ったら、医療機関や相談機関など専門家に相談してみることです。
私は、16歳でリストカットシンドロームを発症した時点で診療内科やカウンセリングを受診しても良かったのだと思います。
ただ、当時は誰にもそのことを言えず、知られるのも怖くて隠していました。
その後は暫くなんとか生活できていたので、本当に身体がボロボロになって生活できなくなるまで、受診するキッカケを掴めずにいたのです。
けれどずっと「自分はどこかおかしいのだろう」と思っていました。
きっと、そうやって違和感を感じながらも我慢したり、問題との向き合いを先延ばしにしている方は多いと思います。
けれど、先延ばしにしていても何も解決はせず、どんどん状況が苦しくなっていきます。
だからどうか、ご自身の心と向き合い、心と身体を大切にして下さいね。
最期まで読んで頂き、ありがとうございます🍀
~Shiho~