DVとは「ドメスティック・バイオレンス」の略称であり、配偶者や恋人など親密な関係にある、又はあった者から振るわれる暴力のことです。
英語の「Domestic Violence」の頭文字をとり、「DV」と呼ばれています。
DVには肉体的な暴力だけではなく、言葉による暴力や社会的隔離などもあり、後者についてはDVを受けている本人でも判断がつきにくいでしょう。
私も以前、交際相手からDVを受けていましたが、当時はそれと気付かずに関係を続けておりました。
6つの種類と内容
DVの内容は様々で「身体的虐待」「精神的虐待」「性的虐待」「社会的隔離」「経済的暴力」「交際相手暴力(デートDV)」という6つの種類に分けられます。
身体的虐待
身体的虐待は、殴る蹴るなど体に傷が残るような暴力行為を指します。
- 殴る、蹴る、腕などをねじる
- 髪を引っ張る、首を絞めつける
- 物を投げつける、突き飛ばす
- 刃物を身体に突きつける
などが該当します。
精神的虐待
精神的虐待は、言葉や態度で相手を傷つける行為を指します。
- 人格を否定するような暴言を吐く
- 大声で怒鳴る、無視する
- 大切にしているものを壊す、捨てる
- 交友関係や職業など、行動範囲を制限する
- 電話やメールのやり取りを細かく監視する
などが該当します。
性的虐待
性的虐待は、相手が望んでいないにも関わらず性的なことを強要する行為を指します。
- 嫌がっているのに性的行為を強要する
- 避妊に協力しない、また中絶を強要する
- 見たくないのにポルノ画像やポルノ雑誌を見せる
- 性風俗店などでの労働を強要する
などが該当します。
社会的隔離
社会的隔離とは、自分以外の人間(相手の友人や親族など)との関わりを制限することを指します。
- 電話、メールなどをチェックし、交流相手や頻度を制限する
- 実家や友人など、親近者から隔離する
- 外出を制限する
などが該当します。
経済的暴力
経済的暴力とは、金銭的に制限をかける行為を指します。
- 生活費を著しく制限したり、与えない
- 遊興費を著しく制限したり、与えない
- 家の金を持ち出したり、借金を繰り返す
などが該当します。
交際相手暴力(デートDV)
交際相手暴力とは、婚姻関係にないカップル間で起こるDVを指します。
- 殴る、蹴る、髪を引っ張るなどの身体的暴力
- 暴言を吐く、脅す、などの精神的暴力
- 望まないセックスの強要など性的暴力
- 電話やメールの履歴をチェックされ、交流相手を制限される
- デート代を払わない、借金を返さない
- 相手との予定を優先させないと不機嫌になったり無視をする
など、自分本位に相手を傷つけたり、相手に損害を負わせる行為が該当します。
DVの判断基準
上記の6種類に当てはまる暴力や行為は、全てDVです。
そして性的行為については、被害者が「嫌だ」という意思表示をしても遂行されれば、加害者がそれを認めていなくとも強要に該当します。
DV加害者は、言葉巧みに被害者を責め、被害者に「自分も悪いかも知れない」と思い込ませたり「どうやっても逃げられない」と思わせたりします。
ですが、そんなことはありません。決して一人で抱え込まないようにして下さい。
あなた自身、そしてお子様もいればお子様のためにも、DVは決して許されることではありません。
配偶者暴力防止法
日本では配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、平成13(2001)年、議員立法により「配偶者暴力防止法」が成立しています。
配偶者には、婚姻の届出をしていない「事実婚」を含み、男性女性の別も問いません。
また、離婚後(事実婚の方が事実上離婚したと同様の事情にあることを含む)も引き続き暴力を受ける場合を含みます。
この法令での「暴力」は、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を指す。とされています。
但し、保護命令については、身体に対する暴力と脅迫を対象としており、退去等命令については、生命・身体に対する脅迫のみを対象としています。
法的な措置については、措置の内容によって対象者が分けられているため「内閣府男女共同参画局」のHPから確認したり、HPにあるDV相談に連絡すると良いでしょう。
DVの原因
暴力の原因としては、夫が妻に暴力を振るうのはある程度は仕方がないといった社会通念、妻に収入がない、又は少ない場合が多いといった男女の経済的格差など、個人の問題として片付けられないような構造的問題も大きく関係しています。
また、DV被害者の特徴やDV加害者の特徴があり、その特徴に当てはまる人や相手には注意が必要です。
▶DV被害者、DV加害者の特徴/DVにあったらどうすれば良い?
最期まで読んで頂きありがとうございます。
交際相手や結婚相手と一緒にいることが苦痛に感じる場合、それでも別れられない場合、一度DVを疑ってみて下さい。
身体的にハッキリとした暴力がなくても、DVに当てはまることがあります。
そして、DVかも知れないと思った時、第一に身の安全を確保して下さい。
相手の言葉に惑わされないように注意をして下さい。
あなたを守ることが出来るのは、他でもない、あなた自身の行動です。
~Shiho~