皆さんは、モラル・ハラスメント(モラハラ)と聞いて、どんなことを想像しますか?
企業でもハラスメント問題が大きく取り上げられ、教育が盛んにおこなわれている昨今
パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、マタニティハラスメントは、その内容もかなり知られていると思います。
けれど、モラル・ハラスメントはどんな内容が当てはまるのか、まだぼんやりとしたイメージしか無いように思われます。
職場、交友関係、家庭内で人間関係に悩み、苦痛を感じている時、気付かない内にモラル・ハラスメントを受けているかも知れません。
今回は、モラハラ夫、モラハラ彼氏など、パートナーから受けるモラハラについて説明したいと思います。
モラルハラスメントとは?
モラル・ハラスメントとは、人が生活するうえで守るべき社会的な基準や規範(モラル)に反した精神的ハラスメント(嫌がらせ)を指します。
人の心を壊す「精神的暴力」とも呼ばれています。
肉体的な暴力とは異なり被害状況が見えにくく、外部からは勿論、当事者も気付きにくいハラスメントです。
モラハラの定義
モラル・ハラスメントという言葉を提唱したフランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌは、モラハラを以下のように定義しています。
(※ウィキペディアから一部を抜粋し紹介します。)
- 加害者にとって、被害者は人間ではなく「モノ」である。
- モラル・ハラスメントの被害者に選ばれる人物にも傾向が存在する。
- 被害者は、起こった出来事に対して「自分が悪いのでは」と罪悪感を持ちやすく、誰かに与えることを欲している。という性格が利用される。
- 加害者は道徳家のように振舞うことが多い。
- ひとつひとつを取ってみれば、問題にするほどのことではないと思うようなやり方により、被害者の考えや行動を支配・制御しようとする。
- この段階では、加害者は被害者に罪悪感を与え、周囲には被害者が悪いと思わせようとする。
- 被害者が自立しようとすると、中傷や罵倒などの精神的な暴力を振るい始める。
- 被害者にモラル・ハラスメントをしているかぎり、加害者の心には安定がもたらされ、被害者以外の人には「感じのいい人」として振る舞うことが出来る。
- そのため、その人が突然モラル・ハラスメントの加害者として振る舞ったとき周囲は驚き、時にはハラスメントの否認さえなされる。
- 故に、被害者は自分のほうが悪いのではないかとためらい、暴力行為自体は相手が悪いが、原因は自分にあると思考してしまう。
- 加害者は「自身のほうが被害者」だと考える。
- 自己愛的な変質者。(この人達は人々をひきつけ支配下に置き価値観の基準をひっくり返すことができる。)
- 被害者は、肉体的にも精神的にもかなり苦しんでいるのにその苦しみの原因がわからず、時には随分時間がたってからようやく自分がモラル・ハラスメントを受けていた事に気づく。
- また、何年も経過した後でも被害者は、行動する度に加害者から言われた中傷誹謗や軽蔑の言葉が頭に蘇り、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に長期的に苦しむこともある。
モラハラの例示
日本の社会学者、心理学者、評論家。 早稲田大学 名誉教授、加藤諦三による例示
(※ウィキペディアから一部を抜粋し紹介します。)
- 加害者は内心の葛藤を自身で引き受けることが出来ず外部に向ける、
- 自身を守るために他人を破壊する必要を持つという「変質性」を持つ。
- 子供の頃に受けた何かのトラウマによってなる性格だと考えられるが、普通の人なら罪悪感を持ってしまうような言動を平気で出来る。
- モラル・ハラスメントの加害者は、自分が「常識」であり、真実や善悪の判定者であるかのようにふるまう。
- 優れた人物であるという印象を与えようとし、自分の欠点に気づかないようにするために他人の欠点を暴きたてる。
- 他人を尊重するなどという考えは存在しない。
- 加害者は復讐の気持ちをともなった怒りや恨みも持ち、被害者にすべての責任を押しつけることによって、ストレスや苦しみから逃れる。
- 相手の弱みを見つけ暴き攻撃することによって優位を保とうとする。
具体的な行動
モラハラ夫や彼氏の行動を具体的に紹介します。
無視をする
モラハラ夫や彼氏は、自分の欲求が通らないと無視をする傾向があります。
しかも、物に当たり散らす等、いかにも怒っているということをアピールします。
妻や彼女が「どうしたの?」と聞いても、何故怒っているのか理由をハッキリとは言いません。
逆に「そんなことも言わないと分らないのか!?」と怒鳴りつけて来ることもあります。
暴言を吐く
モラハラ夫や彼氏は、「バカ」「メス豚」「死んでしまえ」といったような、暴言を吐きます。
その他に、妻や彼女が他人から絶対に言われたくないような酷い言葉を、わざと探り出して言ってきます。
「どんな育ち方をしてきたんだ」「それでも母親か」「そうやって男をたらし込んで来たのか」などの、精神的に傷付くような言葉です。
モラハラ夫や彼氏は非常に口が達者で、何を言い返しても否定してきたり、相手の言葉のあげ足を取るのが上手です。
嘘をつく
モラハラ夫や彼氏は、自分を優位に立たせるために平気で嘘をつきます。
自分の身を守るためにもっともらしい理由を付けようとしたり、平気で事実を捻じ曲げます。
客観的事実はどうでも良く、事実を勝手に曲げるのですが、そのことがバレても全く反省しません。
良心が無く、他人が間違っているように仕向けるためには、平気で色んな嘘をつくことでしょう。
難癖をつける
家庭内で起こったトラブル等に対して、難癖をつけるのもモラハラ夫や彼氏の特徴のひとつです。
子どもが不登校になったり、成績が悪かったりすると、全て妻のせいにして「お前が悪い」と言ったり「お前のせいで子供がバカになるんだ」など罵ってくることがあります。
また、妻や彼女が風邪をひいてしまい家事を満足に出来ない場合も「何を仮病使っているんだ」と言って卑下したり、「俺の夕飯は?」と不機嫌な顔をするでしょう。
束縛する
モラハラ夫や彼氏は嫉妬心が強く、生活を制限する程の束縛をしてくることがあります。
一緒に出掛けている時に他の男性とちょっと話をしたり、何気なく目が合っただけで怒り出してしまう事もあります。
最初は嫉妬しているということは隠し、ただずっと機嫌が悪く、徐々に「色目を使うな」「男にヘラヘラするな」などと文句を言ってきますが
その内「自分以外の男とは口を聞くな」と強制したり、「肌を露出しすぎだ」「スカートは履くな」と服装を制限したり、門限を指定したりと要求がエスカレートしていきます。
突然豹変する
モラハラ夫や彼氏は、出逢った頃は優しくて頼りがいのある男を演じており、仲が深まってから本性をあらわして来ます。
妻や彼女が社会的な自立をしようとしたり、結婚や出産などで簡単に別れを切り出せない状況になると、急に正体をあらわすことも多いです。
そのため、事前にモラ男だいうことに気付けないことがあります。
一度本性を出すと、些細なことでも急に態度が豹変するようになるでしょう。
脅す
モラハラ夫や彼氏は、妻や彼女を精神的に追い詰めるために、自分がいかに相手に尽くしているかを主張しながら脅しをかけてきます。
「誰のおかげで食べていけるんだ、もうお金はやらないぞ!」とか「お前のためにこれだけ尽くしたのに、金を支払え!」というようなことを言って来ます。
また、モラハラ夫や彼氏に別れを提案すると、態度が変わって今度は「自殺をする」といった言葉を使い罪悪感を植え付けようとします。
(モラハラ夫から逃げる場合は、何も告げずにそっと逃げるのも良いでしょう)
時折優しくなる
モラハラ夫や彼氏は、アメと鞭を使い分けます。
恐怖感を抱くほど怒ったり暴れたりしても、その後に人が変わったように優しい一面を見せてくることがあるのです。
「君の事を愛しているからこそ、厳しくなるんだ。」とか、「さっきはゴメン」なんて謝られてしまうと、恐怖を味わった後なのでつい受け入れてしまいます。
また、そうやって優しい一面を見せられてしまうと「この人は本当は優しい人なんだ」と思ってしまう事があります。
これを「ハネムーン期」と言い、優しい時期がほんの一瞬ありますが、直ぐ元に戻ります。
まとめ
相手の行動やご自身の心境に当てはまる部分はありましたか?
モラハラ夫や彼氏と一緒に居るほとんどの時間は、酷い暴言や理不尽な扱いを受けて苦しむでしょう。
しかし、モラハラ夫や彼氏は最初はとても優しく、あなたを褒めてくれたり、嬉しい言葉をかけてくれます。
その頃を思い出すと「いつかまた元の彼に戻ってくれるかも…」と期待してしまい、なかなか離れられません。
そうこうしている内に、あなたはどんどん自尊心を奪われ、罪悪感を植え付けられていくのです。
そして、自分には価値がないような虚しい気持ちになってしまい、生きる気力すら奪われていきます。
そんなあなたがとるべき行動は、モラハラ夫や彼氏と関係を修復しようとするのではなく、そこから離れることです。
自分の幸せを考え、自分を大切にすることです。
自分を大切に思うことが出来てきたその時、あなたの成長を待っていたポジティブな出逢いが訪れるでしょう。
最期まで読んで頂き、ありがとうございます。
モラハラの定義、例示は、私が体験したモラハラの内容とピッタリ当てはまっています。
具体的な行動には、実際にあった私の事例も含めました。
モラハラに気付き、モラハラ被害者体質を改善すると、今までさんざん出逢ってきたモラ男たちが近付いて来なくなります。
まずは、モラ男から卒業し、自分自信で歩くための一歩を踏み出しましょう。
そこから、あなたの幸せな人生がスタートします!
~ Shiho ~