お悩み解消・自己啓発

5人に1人☆ひといちばい敏感な子(HSC)の特徴と子育てアドバイス

ハイリー・センシティブ(通称HS)は、「ひといちばい敏感さん」のことを指した言葉です。
どの国でも同じ割合で、男女の偏りもなく、5人に1人存在すると言われています。

ひといちばい敏感な子供を
HSC
(ハイリー・センシティブ・チャイルド)と呼び

HSCが大人になったら
HSP
(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼びます。

近年ではテレビ番組で紹介されることもあり、芸能人の松本仁志さんや、田村淳さんもこの特徴に当てはまると自覚されているそうです。

5人に1人という割合なので身近な方にも多くいると思いますが、かくいう私もHSPで、私の娘はHSCです。

知ってみると「私もそうかも!」と思われる方がいるかも知れません。

こちらでは、私の子育て経験も踏まえてHSCについて説明したいと思います。

HSCの4つの特徴

HSC=ひといちばい敏感な子には、必ず4つの性質があると言われています。

D=深く考える
  (Depth of processing)
O=過剰に刺激を受けやすい
    (Being easily Overstimulated)
S=ささいな違いを察知する
    (Being aware of Sudtle Stimuli)
E=共感力が高く、感情の反応が強い
    (higgh Empathy in particular)

この4つの性質に1つでも当てはまらないなら、HSCでは無いかも知れません。
1つ1つの性質を詳しく説明していきます。

D:深く考える


例えば、友達の家に行ったり親戚の方が遊びに来た時にジュースやお菓子を貰いますよね。普通の子なら喜んで受け取り、その場で食べると思います。

しかしHSCは「ここで食べても良いのか」「どんな味のお菓子か」「皆にも分けた方が良いのか」など、色々なことを考えてしまい素直に受け取れなかったり、行動が遅れたりしてしまいます。

普通の子供ならそこまで考えないようなことを、深く考えてしまう性質があります。

この「深く考える」という性質から、大人がするような深い質問をしたり、ビックリするような大人びた発言をしたりします。

HSCの脳は情報を深く処理する部位が活発なため、人の気持ちや空気を読む能力も高く、普通の子がそこまで考えない、あるいは考えなくても良いことまで瞬時に感じて考えてしまいます。

HSCは、1を聞いて10を知るタイプの子供です。

私の娘も「家族以外の人から物を貰う」ということが、なかなかできずにいました。
そして、死んだらどうなるの?お母さんとお父さんどっちが先に死ぬの?等、深い質問をすることがあります。

O:過剰に刺激を受けやすい


HSCは五感もとても敏感です。

大きな音が苦手だったり、匂いを強く感じたり、視界に入る物にもよく気が付きます。暑さ寒さや衣類のチクチクなどの刺激も受けやすく、肌触りがとても気になります。

少しの刺激で「頭が痛い」「おなかが痛い」「足が痛い」など痛みを訴えます。

とても刺激を受けやすいので、学校に行くとぐったりと疲れて帰って来ることが多くあります。

また、すぐに刺激でいっぱいいっぱいになるため、発表会など人に見られたり実力を試されたりする場面では、普段の力を発揮できないことがあります。

HSではない人からすると「大げさだ」と思うような反応をしてしまいます。

私の娘はトイレの水が流れる音を嫌がり、自宅以外のトイレにはなかなか入りませんでした。
また、人の目を非常に気にしてしまうため、家族以外の人の前ではしゃべれない・食べれない・座れない。ということがありました。

S:ささいな違いを察知する


HSCは、細かいことによく気が付きます。

小さな音、かすかな匂い、人の髪型や服装の変化、風景の小さな変化に気付きます。

人が自分を笑ったことや、逆にちょっとした誉め言葉にも気付き、相手の機嫌にも敏感に反応します。

思考や感情のレベルが高いために、ささいな事に気付くのだと言われています。

洞察力が高いため、子供といってもごまかしが効きません。相手の機嫌を察知するので気が利くこともありますが、状況によっては不安も感じやすいでしょう。

HSCは、物事の違いによく気付く、鋭い子供です。

私の娘は4つ葉のクローバーを探すのが得意で瞬時に見つけてしまうため、10個も20個も… 多い時は30個もクローバーを集めて来ます。
また、味の違いも敏感にとらえ、少し味付けが変わったり、食材の産地が変わっただけでも料理を食べなくなります。

E:共感力が高く、感情の反応が強い


HSCは、物事の一つ一つを深く感じ取り、涙もろく、人の心を読むことにたけています。

完璧主義で、ささいな間違いにも強く反応します。

学校の友達や家族、初めて会った人でも、辛い思いをしている人の気持ちが手に取るように分かります。動物の気持ちにも共感して幸せを感じたり、心を痛めたりします。

また、残酷な映画やドラマが苦手で、不公平なことが許せません。

HSPはミラーニューロンという神経細胞の働きが活発です。これは、他の人が何かをしたり感じたりしているのを見て、自分が同じことをしたり感じたりしているように思う神経細胞です。

HSCは、ひといちばい優しい子でもあります。

私の娘は生き物が大好きで、動物、虫、魚、全ての生き物に興味があるようです。最近ハムスターを飼っていますが「私、この子たちの気持ちがわかるよ。今ね、こう思っているんだよ。」と、教えてくれます。

外交的な子もいる

「ひといちばい敏感な子」というと、内向的でおとなしい。というイメージを持つかも知れませんが、外交的な子もいます。

HSC/HSP第一人者のアーロン博士によると、HSCの中で約30%が外交的な気質を持つそうです。

好奇心が強く、新しい場所に行きたがり、初めての出来事を楽しみ、退屈しやすい。といった子供です。

内向的か外交的かについては、育った環境の他に、生まれ持った気質の影響もあります。

内向的なHSC

内向的なHSCは、刺激を求めない子供です。

いわゆる「石橋を叩くだけ(渡らない)」という、リスクを避けることが得意なタイプです。

あまり話さず、静かに周囲をよく観察し、目立たないように周囲に合わせて行動する子が当てはまります。

安心や安定・調和を重視する、参謀やアドバイザーに向いている気質と言えます。

外交的なHSC

外交的なHSCは、刺激を求める子供です。

ですが、ただやみくもに進むのではなく「石橋を叩いて渡る」という、しっかりしたタイプです。

普段は静かにしているけれど、洞察力や判断力が高く、興味や正義感を持つと主体的に行動できる子が当てはまります。

周囲の人の気持ちに配慮した上で、大胆な決定もできる経営者向きの気質と言えます。

育てにくいHSCの接し方

HSCには、育てやすい子と育てにくい子がいます。

特に、刺激を求めるタイプの気質を持った子や、感情反応の強い子は「育てにくい」と感じることが多いようです。

癇癪は傷ついているサイン


育てにくいHSCには、こんな行動があります。

  • 癇癪(かんしゃく)が激しく、文句が多い。
  • ささいなことで大げさに騒ぐ。
  • ちょっと注意しただけで、逆ギレする。
  • 上手くいかないと八つ当たりする。
  • 被害妄想的に受け取ることがある。

……うちの娘は全て当てはまります。地雷が多く、上記のような行動が度々あります。

とても育てにくいのですが、私もHSPのためだいたい娘の気持ちが分かり、自分がHSで良かったと思う点でもあります。

HSCは、たくさんのことを感じ、たくさんの刺激を受け、深く考えるため、神経を使って疲れています。

快適でいられる環境や範囲も非HSに比べると少なく、不快になる事が多くあります。

まだ子供なのでそれを上手く表現することも出来ず、自分でもコントロールできずに親や家族に八つ当たりするしかなく、癇癪になってしまうのです。

不快の原因は様々ですが、自分なりに考えて「こうしよう」と思っていた時に周囲の邪魔(悪意はない)が入ってしまったり、自分が思っているような結果が出ないことに苛立つ。といったことがあります。

行動だけを見ていると「わがまま」としか思えないのですが、本人もそういう感情になりたくて成っているわけではなく、こんな時こそ共感や安心を求めています。

癇癪時の対応

HSCが癇癪を起しているとき、八つ当たりをするとき、どのように接すれば良いのか、具体的に上げていきましょう。

HSCは実は傷ついているということをお話しましたが、次のようなことが傷付く原因となります。

・自分の思い通りにならない
・親に叱られた
・人が気持ちを分かってくれない
・人が話を聞いてくれない

ここでまた叱られたり、頭ごなしに「こうしなさい」と言われると更に傷付くことになります。

そこで大事なのは「子供の気持ちに寄り添うこと」です。

子供がどうしてこんな行動に出ているのか「何があったの?」「これが嫌だったの?」と理由を聞いてあげます。

この時、子供は自分の気持ちを整理できておらず「わかんない!」と逆ギレすることがあります。

が……大人はここで我慢です。

「そうか、わからないけど嫌な気持ちになったんだね」と、子供の言葉を繰り返したり、子供の気持ちを言葉にしてあげます。

傷付いたり、不機嫌になった原因が分かる時は、「○○されたらショックだよね」「こうしたかったのに残念だったね」と、気持ちを代弁してあげます。

そうすることによって「私の気持ちをわかってくれた」と安心することが出来て、徐々に落ち着いてくるでしょう。

HSCは一旦気持ちが落ち着くと、比較的素直に言葉を聞くことが出来ます。また、素直に「ごめんなさい」や「はい」と言わなくても、本当は自分が悪いことを分かっていたりします。

時間を置いて、行動をよく見ていると、きちんと言われたことをやっている時があるのです。

焦りは禁物です。こちらに余裕がないと子供の行動に直ぐイライラしてしまいし、子供がこちらのイライラを察知し逆ギレする。という悪循環に陥ります。

もし、こちらがイライラしてしまう時は、少し間を置いて深呼吸をしたり、いったん離れて気持ちを落ち着かせましょう。

育てやすいHSCの接し方

HSCは親や大人の気持ちを敏感に察知するので、大人が自分に何を求めているのか、何を期待されているのかを鋭くキャッチし、大人が指示をする前に大人の望む行動をとってしまうことがあります。

聞き分けがいい子」「手のかからない子」と思われる子が、それに該当します。

手のかからない子は我慢している


大人からすると「聞き分けがいい子」「手のかからない子」は楽なので、しだいに手をかけなくなります。

そうすると、子供はは何とか自分でやろうとして更に深く考え、自分でできるようになってしまいます。

手のかからない「良い子」になることで、親から充分な世話や関心を受けないまま、大人になってしまうことがあるのです。

しかし、そんなタイプの敏感さんは「自分が良い子でいる間は受け入れてもらえるけれど、悪い所を出したら嫌われるのではないか?見捨てられるのではないか?」と、思っていることがあります。

そして、もっと大きくなった時に、赤ちゃん返りや試し行動といってわざと悪いことをするとか、心身症という形で出てくることがあるのです。

本当は甘えたかった時に、親を気遣い甘えられなかったことで、人に甘えるのも苦手になったり、気持ちが苦しくなってくる傾向があります。

育てやすいいHSCには、こんな特徴があります。

・文句や要求が少ない
・引っ込み思案
・先回りをして行動する
・自分が悪いと思ってしまいがち
・正義感が強く面倒見がよい

育てやすい子は自然と周囲の気持ちを察知し、周囲を気遣っているため、自分でも我慢していることに気付いていないことがあります。

私はどちらかと言うと、このタイプのHSCでした。

手のかからない子の対応

手のかからない子は頑張って周囲の期待に応えているため、何でも自分でできていることが多いのですが、実は「自己肯定感」は低めです。

子供は本来、手がかかるものです。手がかからないということは「子供が我慢をし背伸びをしている」ということ。

それに気付いて「そんなに無理しなくても良いよ」「自分の気持ちを言っていいよ」と伝えることが必要です。

効果的なのは失敗を褒める。ということです。

手のかからない子でも、たまには失敗することや自分の素の感情を出すことがあります。

その時にすかさず「お母さんも同じような失敗をしたことがあるよ。それも人間らしくて良いことだよ」「嫌な時は嫌だと言って良いよ。怒ることはあたり前のことだよ。」と、失敗を褒めることで「こんな自分でも良いんだ」という安心を与えることができます。

HSCを育てるために必要なこと

HSCの特性を踏まえた上で、HSCを育てるためにどういったことが大切かを説明していきます。

周囲に惑わされない

HSCを育てる親御さんが、周りからよく言われる言葉があります。「過保護だ」とか「子供の言いなりになりすぎ」などの言葉です。

確かに、周囲から見るとそう見えることがあります。

保育園や学校、人前に連れて行っても激しく泣いたり母親から離れない。直ぐに抱っこしたがる。食べ物の好き嫌いが多く、親もそれを受け入れている。などなど、沢山あります。

そしてそれを「だから子供がわがままになるんだ」とか、「だから子供が臆病になるんだ」と、親の子育てのせいにした言い方をしがちですが…… 先に述べたように、HSCはもともと生まれ持った気質でもあります。

このような育て方は、子供の行動の「原因」ではなく「結果」なのです。

非HSCの子育てでは問題のない言動も、HSCにとっては刺激が強すぎることがあります。

HSCは、空腹や疲労、恥ずかしさやイライラなど不快な状況いなると、すぐに不安定になったり自制心を失い、言うことを聞けなくなるのです。

むりやり言うことを聞かせようとすると、よけい泣いたり、怒ったり、手がつけられなくなるでしょう。

それを避けるために、子供の要求を受け入れる(環境になじめるよう配慮する。味や匂いを好みに合わせるど)ことは、決して「甘やかし」ではありません。

5人に1人の子供を育てる時、一般に有効だと言われている子育て法だとしても、5人に4人の子育てアドバイスは、合わないことが多いのです。

なので、「この子はこの子」「HSCの親はHSCの親」と、割り切ることが必要です。

周囲のアドバイスには惑わされず、我が子のことをしっかり見て、その子に必要なこと、必要でないことを親自身が考えていくということが大切です。

※HSの気質を持った子供に有効な方法は、他のHSの子供にも効果があることが多いでしょう。

褒めて育てる

育てにくいHSCも、手のかからないHSCも、基本は同じ「ひといちばい繊細な子」です。

どちらの子育てにも「自己肯定感を育む」ということが必要で、そのためには「褒めて育てる」ということが欠かせません。

HSCは、完璧主義で自分を責める傾向があります。

完璧主義のため、ささいな失敗で傷付いて癇癪を起したり、自信を無くしてしまいます。

叱って育てることは、HSCには刺激が大きすぎるのです。

かと言って、何でも言うことを聞けば良い。という事ではなく「何でも話して良いんだよ」「失敗しても良いんだよ」ということを伝えながら育てます。

子供の気持ちを受け入れ、失敗も褒める。

ありのままの我が子を、まずは親が認めてあげることが重要です。

※危ないこと、人を傷つけること、約束をやぶること等、本当にやってはいけない事を教える時には、大声で怒鳴るよりも落ち着いて「なぜそれが良くないのか」理由を伝えることが効果的です。

その子のペースを尊重する

HSCを育てるときの大原則は「その子のペースを尊重する」ということだそうです。

子供が「怖い」と言ったら本当に怖いのです。
子供が「嫌だ」と言ったら本当に嫌なのです。

私達は「大丈夫、怖くない。そんなに嫌がってどうするの!」と声を掛けがちですが、その前に「怖いんだね、嫌なんだね。」と認めてあげることが必要です。

子供はちゃんと、本当はどうしなければならないか分かっています。

それでも不安だから、確認に時間がかかるから「待って」と言っているのです。

ひといちばい敏感な子には、ひといちばい「安心感」が必要です。

自分のペースを尊重し、自分のことを信じてくれる。その安心感が、一歩踏み出すときの勇気になります。

********************

最後に、この記事は子育てカウンセラーであり診療内科医でもある明橋大二先生の「HSCの子育てハッピーアドバイス」という本を参考に、実体験を加えて書きました。

我が子を育てる時に様々な問題に遭遇し、解決の糸口をつかむために調べて出逢った本です。

今現在まだ娘の子育て奮闘中ですが、この本を幼稚園の先生方、小学校の先生方とシェアし、必要なことを伝えながらも娘のペースで生活を送れるように対応して頂いています。

沢山の方の協力があり、沢山の方に理解を頂き、娘の生活が成り立っています。本当に感謝の毎日です。

子育てで悩んでいる方がいたら、是非、ご自身の心の中にだけ溜め込まずに、勇気を出して周囲の方々への協力を呼び掛けることをお勧めします。

HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子 | 明橋 大二, 太田 知子 |本 | 通販 | Amazon

 

最後まで読んで頂きありがとうございます。
全ての方との出会いに感謝の気持ちを込めて🍀
一人でも多くの方が、より幸せな人生へと進んで行けますように。

~Shiho~

 

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